こんにちは、なかがわら胃腸科クリニックの中川原です。
「なんだか最近、胃の調子がすぐれない」「食後に胃がもたれることが多い」……そんな不調を感じながらも、「いつものことだから」と我慢していませんか? もしかすると、その原因は胃の中に住みつく細菌、**ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)**かもしれません。
ピロリ菌は胃の粘膜を傷つけ、胃がんの最大の原因となることが分かっています。石川県金沢市や内灘町の皆様が、将来にわたってお食事を楽しみ、笑顔で過ごせるよう、専門医の視点からピロリ菌の真実と、賢い検査の受け方をお伝えします。
【こんな症状に当てはまりませんか?】
- 胃もたれが続いている
- 吐き気やむかつきを感じることがある
- 食欲がない、または胸やけがする
- お腹が張る感じがする
- 家族に胃がんや胃潰瘍になった人がいる
1.「カメラで見て異常なし」と言われた方の落とし穴
以前、他院で胃カメラを受けられ「ピロリ菌はいないね」と言われた後、当院を受診された患者さんのケースをお話しします。その方は、医師の言葉を信じてその後数年間、追加の検査を受けずに放置されていました。 しかし、当院で精密な検査を行ったところ、残念ながらピロリ菌が原因と考えられる進行胃がんが見つかったのです。
実は、ここが最も注意すべきポイントです。ピロリ菌による炎症が非常に激しい場合は目視で分かりますが、そうでない場合、胃カメラの「見た目」だけでは菌の存在を見逃してしまうことがあります。 「見た目にいないから大丈夫」と安易に自己判断せず、専門的な検査をしっかり受けることが、命を守ることに繋がります。
2.精度 95%以上の検査と「保険適用」の重要性
当院では、ピロリ菌の有無を判定するために、非常に精度の高い**「尿素呼気試験」**を主に行っています。これは専用の薬を飲んで息を吐き出すだけの簡単な検査ですが、精度は95%以上と極めて信頼できるものです。
ここで、大切な「費用」のお話をします。 ピロリ菌の除菌治療を健康保険(3割負担など)で受けるためには、胃カメラ検査で「ピロリ菌による胃炎」を確認することがルールとして義務付けられています。胃カメラを行わずに検査や治療を行うことも可能ですが、その場合は「自費診療」となり、患者さんのご負担が大きくなってしまいます。
「でも、胃カメラは痛そうだし苦手……」と不安な方もご安心ください。当院では**鎮静剤を使用し、ウトウト眠っている間に楽に終わる「苦痛の少ない胃カメラ」**を徹底しています。
胃カメラで胃の状態を直接確認し、さらに精度の高い「尿素呼気試験」を組み合わせることで、保険を適用しながら、最も確実な診断と治療を受けていただくことが可能です。
3.除菌成功は「ゴール」ではなく「スタート」です
除菌に成功すると、胃がんのリスクは大幅に下がります。しかし、除菌後10年間は、一度も感染したことがない方と比較して、依然として胃がんのリスクが高いことが医学的に証明されています。
そのため、当院では以下のケアを強く推奨しています。
- 除菌後も、1〜2年に1回は定期的に胃カメラ検査を受けること
- この習慣を、少なくとも除菌後10年間は継続すること
また、ピロリ菌は主に幼少期に家庭内で感染する場合があります。ご自身に感染があった場合は、お子様やご家族の検査もあわせて検討されることをお勧めします。
結論:金沢市・内灘町の皆様の「安心」のために
ピロリ菌は、適切に検査・除菌し、その後のケアを怠らなければ、決して怖いものではありません。
「あの時、ちゃんと検査しておけばよかった」
そう後悔する患者さんを一人でも減らすことが、私の願いです。金沢市や内灘町の皆様の「かかりつけ医」として、一人ひとりの不安に寄り添い、丁寧でわかりやすい診療をお約束します。 少しでも胃の調子が気になったら、迷わず当院へご相談ください。
監修・執筆 なかがわら胃腸科クリニック 院長:中川原 寿俊
保有資格・所属学会
- 日本外科学会専門医・指導医
- 日本内視鏡学会専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器外科学会専門医
学歴・職歴
- 1994年 富山大学医学部卒業。金沢大学第二外科入局。
- 2016年 医療法人社団 なかがわら胃腸科クリニック開業。 (金沢大学附属病院 地域医療連携室長などを歴任)
参考文献
- 日本ヘリコバクター学会「ヘリコバクター・ピロリ感染症の診療ガイドライン」
- 国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」
- Shaukat A, et al. “ACG Clinical Guidelines: Colorectal Cancer Screening 2021.”