機能性ディスペプシアとは

機能性ディスペプシア(FD)とは、胃カメラなどの検査をしてもがんや潰瘍などの目に見える異常(器質的異常)がないにもかかわらず、食後の胃もたれやみぞおちの痛みなどの不快な症状が慢性的に続く病気です。 「ただの胃の不調」と放置されがちですが、日常生活の質(QOL)を落とすため、正しい診断と治療が大切です。

原因

機能性ディスペプシアは、主に以下のような要因が複雑に絡み合って起こります。

胃の運動機能の低下

食べたものを十二指腸へ送り出す動きが弱まり、胃の中に食べ物が長く留まることで胃もたれや早めの満腹感が生じます。

知覚過敏

胃のセンサーが過敏になり、通常の食事や少量の胃酸に対しても痛みや胃やけを感じやすくなります。

自律神経の乱れ(脳腸相関)

脳と胃腸は自律神経を通じて密接につながっています(脳腸相関)。ストレスや不安、睡眠不足などが自律神経を乱し、胃の動きを停滞させたり過敏にさせたりします。

その他の要因

ピロリ菌感染、感染性胃腸炎からの回復後の後遺症、不規則な食事や過度の飲酒なども関与します。

症状

主な症状には以下の4つがあり、これらが週に数回など継続して現れます。

食後の胃もたれ:食後に胃が重く留まっている感じがする

早期飽満感:食べ始めてすぐに満腹になり、最後まで食べきれない

みぞおちの痛み:みぞおち周辺がキリキリ、ズーンと痛む

みぞおちの焼ける感覚:みぞおちあたりが熱くモヤモヤする

【注意したい危険なサイン】 「胃の調子が悪いだけ」と自己判断して放置すると、症状が難治化したり、胃がんや大腸がんなどの重大な病気を見落とす危険があります。特に体重減少や強い痛みを伴う場合は早めの受診が重要です。

治療

治療は、まず他の重大な病気がないかをしっかりと鑑別・診断することから始まります。

【当院ならではの診療アプローチ】 機能性ディスペプシアは「胃カメラで異常がないこと」を確認するのが基本ですが、なかがわら胃腸科クリニックではさらに体に優しい**「腹部超音波(エコー)検査」**を組み合わせて診断を行っています。

エコー検査により、胃の中に食べ物が停滞して排出能力が落ちている様子や、下部食道が拡張して逆流が起きている状態をリアルタイムで確認できます。診察室ではお腹の状態を図に描きながら分かりやすくご説明し、ご納得いただいた上で、胃の動きを改善するお薬や漢方薬の処方、生活指導を行っています。

予防のために

日常の工夫で胃腸への負担を和らげることができます。

食生活の改善:1日3食を規則正しく摂り、暴飲暴食や油っこい食事、過度のアルコールを控えましょう。

ストレスのケア:自律神経を整えるため、十分な睡眠と適度な休日でリフレッシュを心がけましょう。

食後の姿勢:食後すぐに横になると逆流を起こしやすいため、2時間程度は体を起こしておきましょう。

◎院長ブログの監修情報

監修・執筆 医師紹介 なかがわら胃腸科クリニック 院長:中川原 寿俊

■ 保有資格・所属学会

日本外科学会認定専門医

日本消化器内視鏡学会専門医

日本消化器病学会専門医

■ 学歴・職歴

1994年3月 富山大学医学部 卒業

1994年4月 金沢大学第二外科 入局

2000年4月 高岡市民病院 勤務

2002年4月 国立病院機構福井病院 勤務

2005年4月 金沢大学がん局所制御学助教 に就任

2014年10月 金沢大学付属病院肝胆膵移植外科臨床准教授 に就任

2014年10月 金沢大学付属病院地域医療連携室長 に就任

2016年4月 医療法人社団 なかがわら胃腸科クリニック 開業

参考文献

日本消化器病学会「機能性ディスペプシア(FD)診療ガイドライン2021」

日本消化器内視鏡学会「内視鏡診療ガイドライン」

厚生労働省「医療広告ガイドライン」