こんにちは、なかがわら胃腸科クリニックの中川原です。
お腹の痛みは誰もが経験するものですが、中には「胃痛だと思っていたら全く別の大きな病気だった」というケースや、見落としてはいけない危険なサインが隠れています。「胃薬を飲めば治まるから」と放置するのは禁物です。
【こんな症状に当てはまりませんか?】
- みぞおちのあたりがキリキリ、ズーンと痛む
- 階段の上り下りや、早歩きをするとみぞおちが痛くなる
- 最初はみぞおちが痛かったのに、徐々に右下腹部へ痛みが移動した
- 一度治まったのに、しばらくするとまた同じような痛みが起きる
- 痛みが少し良くなったが完全に治らず、ダラダラと長引く
「胃の痛み」の裏に隠れる、命に関わる意外な病気
みぞおちやお腹の上部が痛むと「胃が荒れているのかな」と考えがちですが、実は心臓など胃以外の臓器からサインが出ていることがあります。
当院に「みぞおちの痛みがあり胃の病気が心配」と受診された患者さんは、「階段を上ったときや、早歩きをしたときにみぞおちが痛む」とおっしゃいました。お腹の超音波(エコー)検査では異常がなかったため、心電図やレントゲンを行ったところ心筋虚血の可能性が判明。心筋の障害を示す血液検査(トロポニンT)も陽性となり、狭心症と診断されました。すぐに循環器専門病院へご紹介し、カテーテル手術により無事に一命を取り留められました。
胃痛に見える痛みの裏に、心筋梗塞や狭心症といった命に関わる病気が隠れていることがあるのです。
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みぞおちの痛みが「盲腸(急性虫垂炎)」の初期症状?
もう一つ、胃の痛みと勘違いされやすいのが「急性虫垂炎(盲腸)」です。初期の段階では、腫れによる刺激が内臓の神経を通じて伝わるため、右下腹部ではなく「みぞおち周辺」が痛みます。炎症が周囲の腹膜に広がるにつれて、徐々に痛みが右下腹部へと移動していくのが特徴です。
他院で胃カメラを受けて「異常なし」と言われたものの、高熱と痛みで当院を受診された患者さんがいました。当初はみぞおちの痛みでしたが、診察時には徐々に右下腹部へ痛みが移動しており、エコー検査で腫れ上がった虫垂を確認。急性虫垂炎と診断し、当日の緊急手術に繋げました。
痛みの場所が動くときは決して放置せず、すぐに専門医へご相談ください。
「ダラダラ続く痛み」はがんのサインかも
私たちが最も見落としてはならないのは、胃がん、大腸がん、膵臓がんなどの大きな病気です。最初は軽い胃腸炎などと診断されても、実はその裏にがんが隠れている場合があります。私がいつも患者さんにお伝えしている「見逃してほしくないサイン」は以下の2つです。
- 「一旦、痛みが治まるが、また一定期間内に同じような痛みが起きる」
- 「お腹の痛みが少し良くなったが完全に治らない。良くなったり痛くなったりダラダラ続く」
当院では、お腹のわずかな変化に対し、エコー、緊急血液検査、胃カメラ・大腸カメラなどを速やかに行える体制を整えています。難しい専門用語は使わず、画像をお見せしながら丁寧にご説明しますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。
受診を迷うわずかな変化が、健康を守る確実な第一歩になります。
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◎監修・執筆医師紹介
なかがわら胃腸科クリニック 院長:中川原 寿俊
■ 保有資格・所属学会
- 日本外科学会専門医・指導医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器外科学会認定専門医
■ 略歴
- 1994年 富山大学医学部卒業。金沢大学第二外科(現 消化器・腫瘍・再生外科)入局
- 国立病院機構福井病院、金沢大学がん局所制御学助教、同大学臨床准教授、金沢大学附属病院地域医療医療連携室長などを歴任
- 2016年 石川県金沢市にて「なかがわら胃腸科クリニック」を開業